私たちはこの世界で何をみているのか?
2019年アフガニスタンにおいて、武装勢力に銃撃され死去した故・中村哲さんの言葉です。
中村哲さんは、医者という立場だけに留まる事なく、その身を持って世界の真の発展の為に人生を捧げた方です。
2010年、水があれば多くの病気と帰還難民問題を解決できるとして、福岡県朝倉市の山田堰をモデルにして建設していた、クナール川からガンベリー砂漠まで総延長25kmを超える用水路が完成し、約10万人の農民が暮らしていける基盤を作る。
Wikipediaより
彼は見た目だけの社会発展ではなく「人が自分の力で生きるためには何が必要なのか?」という事を念頭に活動されているように感じます。
私には世界を広く見渡し物事を考えるだけの力はありません、ですが日本国民として今の日本を多少なりとも俯瞰的に見ることは出来ます。政治や行政そして企業に至るまであらゆる不正や不祥事が蔓延り、そのようなニュースを目にしない日はありません。今まで私は日本は素晴らしい国だと信じていました。ですが今の日本で正しいことはなされているのでしょうか?
なぜ日本は、こんなにも自殺者が多く、無くならないのでしょうか?
多くの人が一生懸命働いても経済は停滞し続けている、その利益ははどこに消えているのでしょうか?
世界においても、なぜ富めるものはさらに富み、本当に必要な人に正しく分配されないのでしょうか?
世界的な枠組みの組織は数多くありますが、その行動で世界は本当に良くなっているのでしょうか?
より良い社会を作るための理念は本当に全ての人に対して恩恵はあるのでしょうか?
この世界を支えているのはたいそうな理念を掲げる組織や国家という枠組みではなく、中村さんが示してくれたような「人々個人が持つ善意」だと私は考えています。なぜ多くの人々を見ようとせず、国家という物差しで測ろうとするのでしょうか?私にはその考えが人類の知性を曇らせ衆愚となりうる危険な兆候だと考えています。多くの人はただ穏やかに幸せに暮らしたいと考えているのはずです、何がこの世界に暴力・混乱・貧困をもたらしているのでしょうか?
『何をしてはいけないか。殺してはいけない、戦争に関わってはいけない』
Wikipediaより 中村哲さんが国会議員の渡辺周さんに伝えた言葉。
子どもたちの未来のために
私自身も娘が3人いますが、奇しくも中村さんと同じような事をいつも伝えています。
「テレビやネットが本当の事を言っているとは限らない」と。
ブームや世論は簡単に作り出すことが出来ます、日本で義務教育を学んだ多くの方は「人類の歴史」を学び「偉大な文学や芸術」に触れているはずです。私たちが未来に向け何をなすべきかはそこから学ばなければならないでしょう。「歴史は繰り返す」という言葉があります、人類はいくら生活や科学技術のレベルがあがろうとも基本的な行動や考えは変わりません。だからこそ私たちは経験や目の前の情報やありきたりな知識からではなく、歴史の事象から物事を学び行動しなければ成長をしないと考えます。
今の子供達は、私自信が子供の頃とは「比べ物にならないほどの情報を容易く」手に入れることが出来ます。しかし現代では、多くのメディア媒体を通じて「知識」は簡単手に入るのですが、「知恵」が手に入り辛い時代です。大人でも押し寄せる情報に混乱するようなこの時代に、子供たちはどのような成長を遂げていくのか楽しみでもあり不安でもあります。
私自身、常に自身の考えは誤っているのではないかと、自問自答しながら生きています。答えはどこにあるのでしょうか・・・