コロナ禍にあって多くの人が、社会特に日本という国に閉塞感や未来への不安を感じています。
その様な中で、自分の置かれた境遇をもう一度考え直そうとしている方もたくさんいると思います。
今回、現代の生き方を題材にあげる上で、私は福本伸行先生の作品を取り上げる事は避けられないものだと考えました。
もし目標を見出せず、また目標があっても一歩が踏み出せない方への励みになれば嬉しく思います。
福本作品に登場する 決断の言葉①
一生迷ってろ
そして失い続けるんだ・・・・・・
貴重な機会(チャンス)を・・・!
ポイント
発言者:利根川幸雄氏
高層ビルに架けられた橋を渡り切れたら大金が手に入るゲームにおいて、「参加か、権利放棄か」と迫られても「もう少し待って」と決断を下せない参加者に言い放たれた言葉
人生では大きな決断を迫られる事があります。
多くの人間は挑戦する事を怖れ、ありきたりな言葉でお茶を濁し決断を保留します。
そのような行為は未来を考えている様で、実際は自分では決断出来ず他人や会社、社会の力になんとなく頼っているだけです。
もちろん人生において、多くの助けが必要である事は間違いない事ですので取り違えてはいけません。
自分の人生に責任を持ち、年齢に関係なく我武者羅(がむしゃら)に生きたいと考える方には共感する言葉だと思います。
人生は一度きり、チャンスは待ってくれないという事を福本作品は教えてくれます。
福本作品に登場する 決断の言葉②
今日・・・今日だけがんばるんだっ・・・!
今日がんばった者、今日かんばり始めたものにのみ・・・
明日が来るんだよ・・・!
ポイント
発言者:E班・班長大槻氏
地下にある強制労働施設に入れられた主人公カイジ。15年の重労働を課せられたカイジにある唯一のチャンスは、お金を貯めて地上に出る事のみ。しかしながらビールのつまみの誘惑に負けて散財してしまうカイジを見て言い放った言葉。
「明日から頑張ろう」この言葉は多くの人が言葉にします。結果、次の日も「明日から頑張ろう」となり先送りにするのは人間の性なのでしょうか。
その行動自体は結局、努力や決断の先延ばしであり、人間をダメな方へ誘導してしまします。
今日出来なかった事が、明日出来る保証がどこにあるのでしょうか?
自分はそんなに強い人間ではないと自覚し、今できる事を精一杯やった人に明るい未来が待っているのかもしれません。
実はこの言葉は、怠け癖のある私自身にこそ向けたい言葉です。
福本作品に登場する 決断の言葉③
未来は僕らの手の中
ポイント
発言者:伊藤カイジ氏
この言葉には続きがあります、「積み重ねていないものにとって この言葉はつらい・・・」
働いてもいないのにギャンブルに明け暮れその結果ギャンブルで負ける・・・、そんな自分の情けなさに涙する伊藤カイジの独白です。
主人公のカイジは「未来は僕らの手の中・・・」という言葉を理解し、自分の現状を嘆いています。
未来はまさにこの瞬間の積み重ねで出来ています。
未来に対して、「自分には何もスキルが無い、若いころ努力しなかったから何も手に職がない・・・」そう考え妥協したり諦めていませんか?
先程の大槻班長の言葉と重ね合わせてみて下さい。
今この瞬間より頑張ったものにのみ明日が来るのです、行動しなければ何も変わりません。
「未来は僕らの手の中」にあることを、福本作品を読むたびに強く実感します。
福本作品に登場する 決断の言葉④
夢を見ろ・・・!
人が生きるってことは
夢を見るってことだぜ
ポイント
発言者:平井銀二氏
主人公森田は、敵との戦闘により瀕死の重傷を負ってしまう。作品「銀と金」の顔である銀二は、意識が薄れていく森田の名を必死に呼び続ける。そして銀次自身の夢を森田に伝える場面でのセリフ。
人は様々な事に影響を受けています、そんな中自分の想いをいつのまにか封じ込め、窮屈な人生を生きている私たちに響く言葉です。
夢とはただの願望ではなく、具体的な行動の延長線上にあるものです。
自分自身の夢を見据え努力していれば、人間はどんな環境にあろうとも、歯を食いしばって頑張れるのです。
最後に
夢は自分自身の鏡であり、その夢の内容で自身の行動も変わってしまいます。
「安定した職種や、いい会社で高い給料をもらい、他の人よりいい暮らしをしたい」
そんな夢では、その夢への実現に向かう行動は他人を蹴落とし自分だけがいい思いをしようとするものになってしまいます。
残念ながら、現状日本ではそのような大人を多く生み出してしまう構造が出来ている様な気がします。
今の社会に息苦しさを持っている方は、是非福本先生の作品を読んでみてはいかがでしょうか。
もしかすると、あなたの人生を変える素晴らしい言葉に出会えるかもしれません。