野に咲く草花達。
そんな草花達をじっくり紹介したいと思います。
ドクダミ
基本情報
分類 | ドクダミ科ドクダミ属 |
学名 | Houttuynia cordata |
原産地 | 東アジア |
大きさ | 20~50cm |
分布 | 北海道南部から本州・四国・九州 世界では中国、東南アジア |
生息地 | 住宅地周辺の庭や空き地、道ばた、林など湿り気のある半日陰地を好む |
別名 | ドクダメ(毒溜め)、ジュウヤク(十薬または重薬)、ジゴクソバ(地獄蕎麦)、ギョセイソウ(魚腥草)、ウマゼリ |
花言葉 | 「野生」「白い追憶」 |
誕生花 | 5月15日 |
性質 | 多年草 |
似ている花 | - |
名前の由来
草全体から強い臭いを放つことから古くは「毒溜め(ドクダメ)」と呼ばれ、これが転じてドクダミという名前になったとされています。また、毒を抑えるという意味の「矯める(ためる)」が転じたという説もあります。
別名の「ジュウヤク」は薬草としての効能が多いことに由来しています。
地方名も沢山あり、「ドクダン」、「ハッチョウグサ」、「ドクダメ」、「シブキ(之布岐)」など160個ほどの呼び名があります。
生態・形態
根 | 地下に白い地下茎が横に伸び、枝分けれして繁殖する。繁殖力が高く、ちぎれた地下茎からでも繁殖するため、放置すると一面ドクダミだらけになり、他の雑草が生えなくなる。 |
葉 | 卵状の心臓形で葉の縁は滑らか。葉の表側は緑色で裏側は紫色を帯びている。 |
花 | 5~8月に咲く。白色の花びらのように見えるのは花びらではなく、総苞(そうほう)と呼ばれる花びらを包む葉である。ドクダミには花びらと萼(がく)がない。長さ1~3cmの穂のような円柱状の部分におしべ、めしべがついている。 |
実 | 球形に近い褐色の 小さな果実がたくさんつき、種子はできますが、不稔性(次の世代の子孫を作れない種子のこと)の為、根茎によって繁殖します。 |
似ている
似ている野草は特にありません。
ドクダミの品種としてゴシキドクダミ(五色ドクダミ)、八重咲きドクダミがあります。
!我が家にはドクダミと八重咲きドクダミがありました。!
食
葉は加熱することで臭気が和らぐので日本では山菜として天ぷらにして食べられることがあります。
日本において料理用のハーブとして用いられることはありませんが、ベトナムや中国では葉や茎、根を野菜やハーブのように使用されています。
葉を乾燥させて茶外茶(茶の木以外の植物で作られたお茶)としてドクダミ茶を製造することがあります。これは一種のハーブティーとして麦茶のように飲まれています。
活用
・生薬として
ドクダミは厄介な雑草として駆除されることも多いのですが、日本薬局方にも収載されているれっきとした生薬です。生薬名は『十薬(じゅうやく)』と呼ばれ、その高い薬効から内服だけではなく外用でも利用されています。
花が咲いている時期に地上部(茎、葉、花)が薬用に用いられます。利尿作用、便秘解消、動脈硬化の予防、高血圧などに効果があるといわれています。
・どくだみ湯として
殺菌・抗菌作用もあり、肌荒れにも効くといわれています。
摘んできたどくだみをよく洗い、茎と葉を適当な大きさに刻んで布袋やお茶パックに入れます。浴槽に入れて水から沸かすか、お湯が出る蛇口の下において湯をためてください。どくだみを入れた袋を、入浴中にもみながら入るとさらに効果的です。
・虫除けスプレーとして
虫除けとしても、虫に刺された後の痒み軽減にもなります。
瓶にドクダミの花や葉を入れ、ホワイトリカーやウォッカをひたひたになるまで入れて蓋をして約一ヵ月待てばドクダミチンキができます。それを2〜3倍に水で希釈しスプレーボトルに入れれば完成です。
・化粧水として
抗菌作用、肌荒れ抑制などの効果があるとされ、どくだみ化粧水として出回っています。
※万能薬草として紹介しましたが、稀に体質に合わない方もいます。高成分のカリウムを含んでおり、腎機能に問題のある方はご利用を避けた方がいいようです。過剰に摂取・使用するのではなく、ご自身に合った使用量で利用することをお薦めします。
使用にあたって不安がある方は専門家、主治医にお聞きすることをお薦めします。