とつ先生は東京都東久留米市にある六仙公園に遊びに来ました。
今日はどんな秋の植物に出会えるのでしょうか?
マルバルコウソウ
とつ「小さなアサガオが咲いてる。」
D「『アサガオ』と同じヒルガオ科の『マルバルコウソウ』ですね。」
とつ「アサガオの仲間なのか。どうりで似ている訳だよ。」
D「花はアサガオに似ていて、葉はサツマイモの葉に似ています。」
とつ「サツマイモ!じゃあ、食べられるのかね?」
D「食べると下痢や腹痛を起こすという報告もあります。ヒルガオ科の植物は有毒植物のものが多いので食べないようにして下さい。」
ガマズミ
とつ「綺麗な花と美味しそうな果実が!」
D「それは『ガマズミ』です。果実酒、ジュースやジャムなどにして食べられています。」
とつ「GREAT!!,では食べてみよう!」
D「今、食べても酸っぱいと思いますよ。食べるとしたら葉が落ちた12月頃が良いと思いますよ。そのくらいの時期になれば酸っぱさも和らいで甘味が増してくるそうです。」
とつ「冬の楽しみが一つ増えたよ!」
D「鳥や猿などの野生動物も食べるんですよ。」
とつ「動物にも人気なんだね。」
D「大根の漬け物のの着色に使ったり、衣料の染料としても使われています。枝はしなやかで折れにくく、昔は何か束る時に使われたりしていました。」
とつ「実も食べられて枝も使える有用な植物なんだ。」
※食べられるとして紹介しましたが、アレルギーなど、体質に合わない方もいらっしゃるかもしれません。食べる方は自己責任でお願いします。
食用に採取する場合は、汚れなどの心配がない場所で採取することをおすすめします。
ヤマブキ
とつ「黄色い花だ!」
D「『ヤマブキ』ですね。ヤマブキも花の開花時期は春ですが、秋にも咲いているんですね。」
とつ「秋にヤマブキの花が見られるなんてラッキーだ!!」
D「八重咲きの『ヤエヤマブキ』や白色の花の『シロヤマブキ』もあるんですよ。」
とつ「ヤマブキも色々あるのだね。」
D「一重咲きのヤマブキは果実をつけますが、八重咲きのヤマブキには果実がならないんですよ。」
とつ「同じヤマブキなのに不思議である。」
D「ヤエヤマブキはおしべが花びらに変化してしまったために花粉が出来ません。そのため、果実が出来ないのです。ヤマブキは万葉集にも詠われています。」
とつ「昔から親しまれている花なのだな。」
七重八重 花は咲けども山吹の みのひとつだになきぞあやしき 兼明親王
山吹は八重咲きの美しい花が咲くのに、不思議な事に実は一つさえも無いのです。
逸話:若き日の太田道灌が蓑(昔の合羽:カッパ)を借りるべくある小屋に入ったところ、若い女が何も言わず山吹の花一枝を差し出したので、道灌は怒って帰宅した。後に山吹には「七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞ悲しき」の意(我が家には貸し出す蓑もないのです)が託されていたのだと教えられ無学を恥じたという有名な話が『常山紀談』に載る。(参考ページ)
イロハモミジ
とつ「まだ、葉っぱが赤くなっていない。」
D「『イロハモミジ』ですね。もう少しすれば赤くなるでしょう。」
とつ「紅葉狩りもしたいぞ。おや、モミジにプロペラがついている。」
D「それはモミジの種です。種が熟すと風に乗ってクルクルとプロペラのように回って飛んでいくんですよ。」
とつ「面白いな!そういえば、モミジとカエデの違いは一体なんだろう。」
D「分類学的には違いはないそうです。しかし。盆栽や園芸の世界では葉の切れ込みのが深いものを『もみじ』、葉の切れ込みの浅いものを『カエデ』と呼んでいるそうです。」
とつ「葉の切れ込みの違いで名前の違いがあるとは驚きだ。」
アレチヌスビトハギ
とつ「ピンク色の可愛い花が咲いている。」
D「それは『アレチヌスビトハギ』ですね。」
とつ「可愛い花なのに物騒な名前だな。」
D「『アレチ』は荒地でも育つという意味です。『ヌスビトハギ』の由来は諸説ありますが、実の形が盗人の忍び足の足跡に似ている事からという説や、実がしらない間に衣服などにつくのが盗人みたいという説があります。」
とつ「なるほど。実は豆のような形をしているね。食べられるのかね?」
D「毒はないようですが、食べる人もいないようです。」
※食べられるとして紹介しましたが、アレルギーなど、体質に合わない方もいらっしゃるかもしれません。食べる方は自己責任でお願いします。
食用に採取する場合は、汚れなどの心配がない場所で採取することをおすすめします。
コセンダングサ
D「それは『コセンダングサ』ですね。」
とつ「おや、トゲトゲしているが、これは・・・?」
D「それは種です。先端に棘があり、その棘が動物の毛や衣服に着いて遠くまで運ばれて行き繁殖していく仕組みです。」
とつ「植物の繁殖方法も色々あるんだね。ところで、コセンダングサは食べられるのかい?」
D「毒はないようです。食べれるそうですが、美味しいものではないようです。」
とつ「美味しくないのか・・・。」
※食べられるとして紹介しましたが、アレルギーなど、体質に合わない方もいらっしゃるかもしれません。食べる方は自己責任でお願いします。
食用に採取する場合は、汚れなどの心配がない場所で採取することをおすすめします。
ミズヒキ
とつ「何だ!これは!?」
D「それは『ミズヒキ』です。慶事の熨斗(のし)に添える紅白の水引に似ているのでミズヒキと名付けられたそうです。」
とつ「なるほど。花はとても小さい。」
D「そうですね。花は2~3mmほどしかありません。茶道では9月の茶花として茶会の席に飾られることもあります。」
とつ「茶道に関わりがあるとは。食べたら美味しいのかい?」
D「若葉は炒め物や和え物で食べられるそうです。」
※食べられるとして紹介しましたが、アレルギーなど、体質に合わない方もいらっしゃるかもしれません。食べる方は自己責任でお願いします。
食用に採取する場合は、汚れなどの心配がない場所で採取することをおすすめします。
アサマフウロ
とつ「綺麗な花だ!」
D「知識不足の為、名前が間違っている可能性はありますが・・・恐らくそれは『アサマフウロ』ですね。」
とつ「フウロソウ科の花だね。」
D「そうです。フウロソウ科の植物はとても多く約800種あります。」
とつ「沢山あるのだね。知らなかったよ。」
D「花の世界は奥がとても深いのです。」
とつ「食べられたりするのかね?」
D「毒草ではないようですが、食べるとも聞かないので、食べるのはやめておいた方が良いと思います。」
ヒナタイノコズチ
D「『ヒナタイノコズチ』ですね。」
とつ「花はどこだい?」
D「とつ先生が食べようとしているのが花ですよ。」
とつ「おお。これが花か。」
D「似ている種で『ヒカゲイノコヅチ』というのもあります。」
とつ「ふたつは何が違うのかね?」
D「ヒナタイノコズチは葉が厚く、葉先がよじれていています。ヒカゲイノコズチは葉が薄く、葉先がよじれていません。」
とつ「なるほど。葉が厚く、よじれているからこれはヒナタイノコズチなんだね。」
D「はい。そうです。」
とつ「食べられるのかい?」
D「はい。若葉は茹でて食べられるそうです。根は生薬として利用されています。」
今回ヒカゲイノコズチの画像はありません、よろしければ皆様も調べてみて葉の違いを確認してみてください。
※食べられるとして紹介しましたが、アレルギーなど、体質に合わない方もいらっしゃるかもしれません。食べる方は自己責任でお願いします。
食用に採取する場合は、汚れなどの心配がない場所で採取することをおすすめします。
セイタカアワダチソウ
とつ「黄色い花が沢山咲いている!まさかこれは、花粉の原因になる花で有名な!?」
D「これは『セイタカアワダチソウ』ですね。とつ先生が仰っているのは『ブタクサ』のことでしょう。」
とつ「違うのかい!?」
D「似ているのでよく間違えられるのですが、セイタカアワダチソウは花粉を昆虫に運んでもらうので、花粉を飛ばしません。花粉を飛ばして花粉症の原因になるのはブタクサです。セイタカアワダチソウの葉は笹の葉に似ていて細長い流線型で、ブタクサはギザギザでヨモギのような切れ込みの入った葉です。」
とつ「なるほど。そうだったのか。」
D「セイタカアワダチソウは海外では『ゴールデンロッド』と呼ばれていて、ハーブや薬草として利用されています。」
とつ「食べることもできるのだね。」
D「はい。ハーブティーや天ぷらにして食べたり、入浴剤などとしても利用されています。」
※食べられるとして紹介しましたが、アレルギーなど、体質に合わない方もいらっしゃるかもしれません。食べる方は自己責任でお願いします。
食用に採取する場合は、汚れなどの心配がない場所で採取することをおすすめします。
おまけ 薔薇の棘
とつ「こ、これは!!」
D「恐らく『薔薇の棘』でしょう。」
とつ「恐ろしく尖っている。」
D「刺さると危ないのであまり近づかない方がよろしいですよ。」
とつ「棘には気をつけなければいけないね。この個体からは一体どんな花が咲くのだろうか。」
D「見てみたいですね。花が咲く頃まで刈り取られないといいのですが。」
とつ「この前散策した時には全然気がつかなかった。」
D「そうですね。散策するたびに新しい発見があって楽しいですね。」
とつ「今度はこの棘を使ってはぐれメタルを・・・・・。」
D「危険なのでやめて下さい。」
参考【料理】とつ先生、はぐれメタルに遭遇。枝豆炒めのレシピ有り
ガタガタッ 玄関で何やら騒々しい音がする、私は仕事の手を止めて音の原因を探るべく玄関へと向かった。 「とつ先生!!」 そこには玄関にぐったりとした、息も絶え絶えのとつ先生が倒れていた。 顔は青ざめ、うわごとのようになにかを呟いている。 私は慌てて台所に向かい、冷やしてあるビールを先生の口に無理矢理流し込んだ。 ごくごくとそれを飲み干したとつ先生の顔に少し生気が戻る そし ...
続きを見る