野に咲く草花達。
そんな草花達をじっくり紹介したいと思います。
ヘクソカズラ
基本情報
分類 | アカネ科ヘクソクカズラ属 |
学名 | Paederia scandens |
原産地 | 日本 |
大きさ | 3~5m |
分布 | 日本全国 世界では東アジア |
生息地 | 道ばた、山野、草地、公園など |
別名 | ヤイトバナ、サオトメバナ(早乙女花) |
花言葉 | 「人嫌い」「意外性のある」「誤解を解きたい」 |
誕生花 | 9月9日 |
性質 | つる性多年草 |
似ている花 | ハマサオトメカズラ |
名前の由来
「ヘクソカズラ」は葉や実などを潰すと強い悪臭を放つことから「屁糞葛」の意味で名付けられたもので、元々は「屁臭(へくさ)」だったものが発音がなまって変わったとも言われている。カズラ(葛・蔓)はつるで野伸びる植物につけられる語である。
別名「サオトメバナ(早乙女花)」、「サオトメカズラ(早乙女蔓)」と呼ばれ、可愛らしい花を咲かせる様子や花を水に浮かべた姿が田植えをする娘(早乙女)の被る笠に似ていることから名付けられたそうです。
別名「ヤイトバナ」の「ヤイト」は灸のことを指し、花を伏せて置いた姿が灸に見えることや花の中の赤い様子が灸に据えた跡に見えたことから名付けられたそうです。
他にも「ウマクワズ(馬くわず)」「クソタレバナ」「ヘクソ」「ヘクサカズラ」「ソウトメバナ」などとも呼ばれています。
英語では「skank vine(スカンク・ヴァイン:スカンクの蔓)」「stink vine(スティンク・ヴァイン:臭い蔓)」と呼ばれています。
中国植物名(漢名)では「鶏屎藤(けいしとう)」と呼ばれています。
生態・形態
葉 | 長さ4~10cm、幅1~7cmの楕円形で付け根付近はハート型をして先が尖っている。 |
花 | 花は長さ1cmで鐘状。花の色は灰白色で中央は紅紫色で毛が生えている。7~9月に咲く。 |
実 | 果実は丸く、約6mmで緑色をしている。熟すと黄褐色・薄茶色になり、カサカサになる。潰すと強い臭気がある。 |
似ている
[ハマサオトメカズラ]
海辺や川べりに生えていることが多く、葉は厚めで光沢がある。
[ツツナガヤイトバナ]
ヘクソカズラに比べて花筒の部分が長い。
[ガガイモ]
蔓の感じや葉の形がとてもよく似ている。花の形は全く違う。
食
食べない方が良いでしょう。
ヘクソカズラには「インドール」という成分が含まれており、体内に入れると下痢や嘔吐、麻痺や呼吸困難といった症状が起こります。
活用
・薬草として
「鶏屎藤(けいしとう)」と称する生薬として、全草を開花期に採取して乾燥させて調製したものは下痢・黄疸に効果があると期待されています。
根を乾燥させて刻んだものは腎臓病や下痢止めの作用があるとされています。
生の果実を潰した汁はしもやけ、ひび、あかぎれなどの外用民間薬として使われているそうです。
熟した実を採取し、しもやけに効く塗り薬として使われてもいるようです。
・化粧水として
肌に潤いを与える効果もあるとされ、美肌化粧料としても使われています。
・リースとして
生の果実の匂いは酷いですが摘んでしばらく乾燥させると匂いが消え、熟した実は茶褐色でかわいいのでヘクソカズラでリースを作る方もいます。
・万葉集でも詠われている
クソカズラ(屎葛)の名で一首だけ詠まれています。